名簿の五十音順をAIに丸投げするのは危ない?読みが分かれる名字でClaudeを試した

架空の名簿の五十音順をClaudeに頼んだ画面 Uncategorized

研修や会議の名簿、顧客リストなどを、五十音順に並べ替える作業がある小さな会社の人に向けた話


研修の参加者名簿、社内の連絡先一覧、取引先の担当者リスト。小さな会社で働いていると、人の名前を五十音順に並べる作業がときどき回ってくる。人数が少なければ手で並べられるが、10人を超えると地味に面倒だ。AIに並べてもらって、そのままExcelに貼れたら楽になる。

ただ、ここには落とし穴がある。名字の読みは、漢字だけでは決まらないことがあるからだ。「東」は「ひがし」さんも「あずま」さんもいる。読みが変われば、五十音順の位置も変わる。

そこで、読みが分かれる名字をわざと混ぜた名簿をClaudeに渡して、どう並べるかを試してみた。最初に断っておくと、これは実在する名簿ではない。試すために自分で作った、架空の10人の名簿だ。

実験:読みが分かれる名字を4つ混ぜた、架空の研修名簿

10人のうち4人を、読みが2通り以上ある名字にした。菅野(かんの/すがの)、河野(こうの/かわの)、角田(つのだ/かくた)、東(ひがし/あずま)だ。名簿にはふりがなを付けず、読み方についても一切触れずに、次のように頼んだ。

来月の研修の参加者名簿を、五十音順に並べ替えてもらえますか?このあとExcelに貼りたいので、1行に1人で出してください。

このあとに、10人の名前を1行ずつ貼り付けた。

返ってきた返答(太字などの装飾は無し)は、次のとおり。

五十音順に並べました。読み方がわからない名前は、よくある読み方で並べています。

伊藤 拓也
上野 大輔
菅野 彩
河野 真理
小林 直樹
佐藤 美咲
角田 健一
中島 恵
東 由香
渡辺 翔太

並べるときに使った読み方は次のとおりです。
・菅野:かんの
・河野:こうの
・角田:つのだ
・東:ひがし

読み方が違う場合は、次の位置に移してください。
・東が「あずま」なら、先頭になります。
・角田が「かくた」なら、上野と菅野の間に入ります。
・河野が「かわの」なら、上野と菅野の間に入ります(角田が「かくた」の場合は、角田の後ろ)。
・菅野が「すがの」なら、佐藤と角田の間に入ります。

名簿にふりがなの列があれば、それを使ってExcelの並べ替えをすると確実です。

※名前はすべて、試すために作った架空のもの。

並びはきれい。でも、その下に頼んでいない一覧が付いてきた

返ってきた名簿は、1行に1人で、そのままExcelに貼れる形だった。ここまでは頼んだとおりだ。

目を引いたのは、名簿の前後に付いていた説明だ。まず冒頭に「読み方がわからない名前は、よくある読み方で並べています」という一文。そして名簿の下に、並べるときに使った読み方として、菅野=かんの、河野=こうの、角田=つのだ、東=ひがし、の4つが書かれていた。こちらが仕込んだ4人と、ぴったり同じだった。

さらにその下には、「読み方が違う場合は、次の位置に移してください」という一覧まであった。推測した4人全員について、外れたときの移動先が書かれていた。並べ替えは頼んだが、「どこを推測したか」は頼んでいない。

数え直すと、並びも移動先も合っていた

念のため、並びが正しいかを自分で確かめた。Claudeが使った読み(いとう、うえの、かんの、こうの、こばやし、さとう、つのだ、なかじま、ひがし、わたなべ)で並べると、返ってきた順番と一致した。

移動先の一覧も、1つずつ読みを入れ替えて並べ直してみた。「あずま」なら「いとう」より前なので先頭、「かくた」と「かわの」は「うえの」と「かんの」の間、「すがの」は「さとう」と「つのだ」の間。4つとも合っていた。角田と河野が両方とも入れ替わった場合の順番(かくた→かわの)まで書いてあり、これも正しかった。

一方で、気になった点もある。「中島」は「なかじま」とも「なかしま」とも読むが、こちらは一覧に入っていなかった。今回の名簿ではどちらで読んでも位置は変わらないので、並びには影響しない。ただ、Claudeが挙げた「推測した名前」が、読みの分かれる名前のすべてとは限らないということは覚えておきたい。

なお、この試しは1回だけだ。同じ頼み方をしても、毎回この一覧が付いてくるとは限らない。

頼み方を3ステップにすると

  1. ふりがなが分かっているなら、名前と一緒に渡す。読みが確定していれば、推測に頼る部分がなくなる。手元の名簿にふりがな列があるなら、それごと貼るのが一番早い。
  2. ふりがなが無いなら、「推測した読みも出して」と一言足す。今回は頼まずに出てきたが、毎回出てくるとは限らない。頼んでおけば、どこが推測なのかを確実に確認できる。
  3. 「外れたときにどこへ移るか」も一緒に聞く。今回の移動先の一覧は、そのまま確認作業の手順書になった。読みを本人に確かめたあと、どこを直せばいいかがすぐ分かる。

任せきりにしないための確認ポイント

  • 推測された読みは、本人か名簿の元データで確かめる。AIが書く「よくある読み方」は、その人の読み方ではない。研修の受付表や社員名簿など、ふりがなが載っている元の資料と見比べたい。
  • 推測の一覧に入っていない名前も、ひと通り見る。今回の「中島」のように、読みが分かれても挙がらない名前がある。並びに影響しないこともあるが、名札や案内状に読みを載せるなら話は別だ。
  • 最後の並べ替えは、ふりがな列を作って人が確かめる。Claude自身も、名簿の最後に「ふりがなの列があれば、それを使って並べ替えると確実」と書いていた。名前の読み間違いは、相手に失礼になりやすい部分なので、最後は人の目で確定させたい。

頼んでいないのに、Claudeが前提や注意点を書き足してきた例は、走り書きの会議メモを議事録にしてもらった話やパートの求人票の言葉づかいを整えてもらった話にもまとめている。逆に、自信のある言い切りのほうが誤っていた例は紹介文を150文字に縮めてもらい、文字数を数え直した話にある。

まとめ

読みが分かれる名字を4つ混ぜた架空の名簿を、読み方には触れずにClaudeへ渡したところ、五十音順の並びに加えて、推測した4人の読みと、読みが違ったときの移動先まで書き添えてきた。並びも移動先も、数え直すと正しかった。ただ、推測の一覧に挙がらなかった名前もあり、読みそのものは本人にしか分からない。並べ替えはAIに任せて、どこを推測したかを出させ、読みの確定は人がする。それが今のところ一番手間が少なく、安心できる分担だと感じた。次は、ふりがなを一部だけ付けた名簿を渡したときに、Claudeがどう扱うかを試してみたい。

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