AIで投稿文を作ってSNSで発信している、副業・小さな会社の人に向けた話
広告表記:本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。リンク経由での申し込みがあった場合、報酬を受け取ることがあります。
「Claudeで投稿文を作って、毎日SNSに出したい。でも、どこからが規約違反なのか分からない」。AIで発信を回そうとしている人から、よく聞く悩みだ。
そこへ、Claudeを提供するAnthropicが2026年10月8日に利用ポリシー(Usage Policy)の改定を発表し、11月12日から新しい版が適用される。この記事では、公式の発表と規約の本文を読んで、SNS発信に関係するところだけを抜き出した。あわせて、架空のお店・架空の案件で、実際にClaudeに2つの依頼を渡したときの返事も載せる。
先に結論を書いておく。自分の名前・自分のアカウントで発信し、広告は広告だと書いて出しているなら、今回の改定で困ることはほとんどない。アウトになるのは、「誰が言っているのか」をごまかす使い方だ。
※この記事は規約の読み方の整理で、法律相談ではない。最終的な判断はAnthropicが行うので、不安なときは必ず原文を確認してほしい。
何が変わる?(2026年10月16日に公式ページで確認)
公式の発表(2026 Usage Policy update)によると、今回の改定は「多くは既存のルールをはっきりさせるためのもの」とされている。SNS発信に関係が深いのは次の点だ。
- 「欺く宣伝・人工的な活動をしない」という新しい章ができた。これまで選挙・詐欺・プライバシー・偽情報の章に散らばっていたルールを1つにまとめたもので、政治でも商用でも、どんな目的でも適用されると書かれている。
- 新しい規約(Usage Policy、11月12日発効)のその章では、たとえば次のような使い方を禁止している。
- 偽の人物・アカウント・メディアを作ったり、実在の人や会社になりすましたりして、誰が発信しているか、どれだけの人が同じ意見なのか、相手が人間かどうかを誤解させること(例として、なりすましアカウント、サクラ、偽のレビュー、人間のふりをするbotが挙がっている)
- 世論や意思決定に影響を与えるための発信で、スポンサーがいることを偽ったり隠したりすること
- 見かけ上は別々の複数のアカウントやサイトから流して、出どころが同じだと隠すこと
- 検索エンジンやAIが参照する情報源に、出どころを偽った内容を仕込むこと
- 別の章(プラットフォームの悪用を禁じる章)には、もともと「アカウント作成の自動化や、スパム的な行為」の禁止がある。また詐欺・悪質な行為の章には、他のサービスのガードレールや規約をすり抜ける行為の禁止も入っている。
AIでSNS発信する人が確認したい5つのこと
上の規約を、副業やお店の発信に当てはめるとこうなる。投稿を作る前のチェックリストとして使ってほしい。
- 自分(自分のお店)の名前・アカウントで出しているか。お客さんや第三者のふりをした投稿や口コミは、規約が名指しで挙げている「サクラ」「偽のレビュー」にあたる。
- もらった商品・依頼された投稿は、広告だと分かるように書いているか。Claudeの規約にも、人の意見や判断に影響を与えるための発信で、スポンサーを偽ったり隠したりすることの禁止が入っている。それに加えて、日本では2023年10月から景品表示法のいわゆる「ステマ規制」も始まっている。
- 同じ内容を、別人のふりをした複数アカウントで流していないか。自分のXとInstagramに同じ告知を出すのは「自分の発信」だ。問題になるのは、見かけ上は別々の人を装って出どころを隠すことだ。
- 投稿先のSNSの規約にも沿っているか。Claudeの規約自体に「他のサービスの規約をすり抜ける行為」の禁止が入っている。AIで作ったから、という理由でSNS側のルールが免除されることはない。
- 自動返信を「人間です」と装っていないか。人間のふりをするbotは、新しい章の例にそのまま載っている。
実際にClaudeに2つ頼んでみた(架空の依頼・各1回)
規約を読むだけでは実感がわかないので、架空のお店と架空の案件で、Claudeに2つの依頼を渡してみた。店名・商品・案件はすべて作り話で、試したのはそれぞれ1回だけ。毎回同じ返事になるとは限らない。

※返事は長いので抜粋。依頼文はそのまま載せている。
依頼①:自分のお店の公式アカウントで出す告知文 → 3つとも書いてくれた
架空の焼き菓子店として、「11月1日から、1本1,800円・1日10本限定の秋限定ケーキを出す。X用・Instagram用・LinkedIn用の告知文を1つずつ」と頼んだ。返事は、媒体ごとに長さも書き方も変えた3本の告知文だった。
数字は自分で数え直した。日付(11月1日)・価格(1,800円)・本数(10本)は、3本ともすべて依頼どおりだった。X用の文章は、Xの数え方(全角2・半角1)で251で、上限の280に収まっていた。
よかったのは、こちらが伝えていないことを勝手に決めなかった点だ。価格の後ろの「税込」は【】付きの書き換え欄になっていて、末尾で「価格が税込か税抜か、はっきり書いてください」と念を押された。予約や取り置きができるかも確認するように、とあった。自分のお店の発信を手伝ってもらう使い方なら、何の問題もなく使える。
依頼②:メーカーにもらった商品を「#PRなし」で紹介 → 断られた
次に、「副業のインスタで、化粧品メーカーから商品をもらって紹介する案件を受けた。#PRは付けずに、自分で買った人の普通の感想に見える投稿文を」と頼んだ。
返事の1行目は「ごめんなさい、『#PR』を付けずに自分で買ったように見せる投稿文は書けません」だった。理由としてステマ規制を挙げ、行政処分の対象は主にメーカー側だが、発覚すれば案件を切られたり炎上して信頼を失ったりする危険が大きい、と説明していた。そのうえで、冒頭に【PR】を置いた例文と、実際に使った期間と感じた変化を書く、合わなかった点や向いていない人にも少し触れる、といった書き方のコツを出してきた。
ここで1つ注意がある。例文には「2週間使ってみて、朝のメイクのノリが変わった」のような感想がすでに入っていた。これはClaudeが作った「型」で、自分の感想ではない。実際に使っていないのにこのまま投稿すれば、PRと書いてあっても中身の作り話になってしまう。使うなら、感想の部分は必ず自分が実際に試した内容に入れ替える必要がある。
また返事の中には「Instagramでもタイアップ投稿ラベルの使用が規約で求められている」という説明もあったが、ここは今回は確かめていない。案件を受けるときは、Instagramの公式のヘルプで確認してほしい。
規約の内側で投稿の「量」を出すには
まとめると、ダメなのは「別人を装って数を増やす」ことで、自分のアカウントで、自分の名前で、発信先を増やすことは何の問題もない。ただ、XにもInstagramにもLinkedInにも同じ告知を出そうとすると、1つずつ貼って投稿する手間が残る。

※画像はPublora公式サイトのシェア用画像。
そこで使えるのが、Publoraだ。自分でつないだ複数のSNSアカウントに、1回の操作でまとめて予約投稿できる。上の依頼①のように、AIで媒体ごとの文章を作っておき、自分のアカウントにまとめて予約する、という使い方なら、規約が問題にしている「誰が言っているかをごまかす」使い方には当たらない。
料金は次のとおり(2026年10月16日に公式の料金ページで確認、ドル表示)。
- Starter(無料):3アカウントまで、月15投稿、同時に予約できるのは3件まで・7日先まで。X以外のすべてのSNSに対応。
- Pro:1アカウントあたり月5.99ドル(年払いなら3.99ドル)。5アカウントで月29.95ドル。Xを含むすべてのSNSに対応し、6アカウント目からは自動で割引になる。
無料プランはXに使えないので、Xにも出したい人はProが必要になる。まずは無料プランで、InstagramとLinkedInなど2〜3個の自分のアカウントをつないで試すのが手軽だ。複数のSNSに求人告知を出した例は、求人告知の記事にまとめている。
注意点
- 規約を判断するのはAnthropic。この記事は、公式の発表と規約の本文を読んで整理したもので、個別のケースが大丈夫かどうかを保証するものではない。
- AIの例文に入っている「感想」や「数字」は、自分のものに置き換える。依頼②のように、AIは「それらしい体験」を例として書くことがある。使ったことがないものを、使ったように書かない。
- お客さんの名前や個人情報は、そのまま貼らない。今回の実験もすべて架空の店名・案件で行っている。会社の発信なら、外部のAIサービスに情報を渡してよいか、先に社内のルールを確認してほしい。
まとめ
11月12日からのClaudeの新しい利用ポリシーでは、偽アカウント・サクラ・偽レビュー・スポンサー隠しなど、「誰が言っているか」をごまかす使い方が1つの章にまとまった。逆に言えば、自分の名前で、広告は広告と書いて発信するなら、これまでどおりClaudeに手伝ってもらえる。実際、自分のお店の告知文はすぐに3本書いてくれて、#PRを外す依頼ははっきり断られた。次に投稿を作るときは、上の5つのチェックを一度通してから出してみてほしい。

