打ち合わせのメモが走り書きのまま残り、「誰が何をやるんだっけ」が曖昧になりがちな小さな会社の人に向けた話
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少人数の会社では、議事録を書く専任の人がいない。打ち合わせ中にメモは取るものの、終わったあとは次の仕事に追われ、走り書きのまま共有されずに終わることが多いと思う。そして翌週、「あれ、チラシって誰がやるんだっけ」となる。
そこで、この走り書きのメモをClaudeに渡して、議事録の形に整えてもらえるか試してみた。最初に断っておくと、これは実際の打ち合わせのメモではない。試すために自分で作った架空のメモで、登場する佐藤さん・鈴木さん・山本さんも架空の人物だ。
実験:走り書きのメモを、そのまま渡す
メモは、あえて整えずに、打ち合わせ中に書きそうな形にした。担当が書いてある行と書いていない行、期限があいまいな行(「金曜?」)を混ぜている。Claudeに送った文面は次のとおり。
さっきの打ち合わせのメモ、走り書きのままなんだけど、議事録っぽく整えてもらえる?誰が何をいつまでにやるかも分かるようにしたい。
10/3 定例 佐藤 鈴木 山本
・秋のキャンペーン 申込 先月比で減ってる 原因まだ不明
・チラシ 来週中に刷り直し→鈴木さん
・HPのバナー 差し替え 山本 金曜?
・アンケート結果 まとめる 佐藤 次回の定例までに
・予算 追加は難しそう 部長に確認
・次回 10/10 同じ時間
返ってきたのは、日時・出席者・次回の日程、議題ごとの共有事項、そして「担当・内容・期限」の表に整理されたToDoだった。

※画面は、実際のやり取りの文面をそのまま、見やすく再現したもの。
いちばん良かったのは、メモに担当が書かれていなかった2件を、勝手に誰かに割り振らなかったことだ。「部長への予算追加の確認」と「申込減少の原因調査」は、担当も期限も「(未定)」として表に入り、最後の「確認したい点」でも2件とも取り上げられ、部長への確認については「決めておくと抜け漏れを防げます」と書かれていた。打ち合わせでは話題に出たのに、誰も引き取っていない仕事。実際の職場で一番こぼれやすいのは、こういう仕事だと思う。
そのまま使う前に、自分で確かめたこと
ToDoの担当と内容は、メモと照らしてすべて合っていた。ただ、日付と曜日のところに、そのまま共有すると困る部分があった。
- 「10/3(金)」と書いていた:メモには年を書いていない。今年(2026年)なら、10月3日は土曜日だ。Claudeは確認したい点の中で「10/3(金)」と書いていた。これは2025年の曜日で、どの年を前提にしたかは書かれていなかった。
- 「来週中(10/6〜10/10の週)」:2026年で考えると、10/3(土)の翌週は10/5(月)〜10/9(金)になる。書かれた範囲とは1日ずれている。
- 「直近の金曜…10/10にあたります」:2025年なら10/10は金曜で、応答の日付はすべて合う。ただ2026年の10/10は土曜日で、直近の金曜は10/9だ。期限を1日遅く書いた議事録が共有されると、山本さんの作業が1日後ろにずれるかもしれない。
一方で、「金曜?」を勝手に確定させず、「どちらか確認してください」と聞き返していた点は良かった。つまり、あいまいな部分を「あいまい」と残す判断はできていたのに、年の書いていないメモに対して、断りなく2025年のカレンダーを前提にしていた、ということになる。計算ミスというより、前提を黙って置いていたのが問題だった。
なお、試したのは1回だけだ。メモに年を書いた場合や、日付を変えた場合にどうなるかは、まだ試していない。
頼み方を3ステップにすると
- メモは整えずに、そのまま渡す。今回は走り書きのまま渡しても、議題とToDoに分けてくれた。先に自分で整えなくてよいのは、時間のない人には大きい。
- 「誰が何をいつまでに」を、目的として一言書く。今回はこの一言を入れたことで、担当・内容・期限の表になったのだと思う。ただし、書かない場合との比較は試していない。
- 日付と曜日は、カレンダーで自分で確かめる。年が入っていないメモなら、なおさらだ。期限の日付は、共有する前に必ず1回見直す。
任せきりにしないための確認ポイント
- 曜日と日付の計算は、人が確かめる。今回のように、年を黙って前提にして、今年の曜日とずれることがある。メモに年を書いておくと、ずれに気づきやすくなるかもしれない(今回は未検証)。
- 「(未定)」の行は、その場で埋める。Claudeは担当のいない仕事を拾ってくれるが、決めるのは人だ。議事録を共有するときに、未定の行だけ先に相談すると抜け漏れが減りそうだ。
- 社名や個人名、社外秘の内容は渡さない。今回は架空の名前だけで試した。実際に使うなら、名前を伏せて整えてもらい、共有する前に自分で戻す使い方もある。外部のAIサービスに渡してよいかは、先に自分の会社のルールを確認してほしい。
同じように、手元の文面や数字を渡して整理してもらう使い方は、アンケートの自由記述をClaudeに渡して、要点を整理してもらった話や、わざと間違えた合計をClaudeに渡して、検算を頼んでみた話でも試している。人手が足りない部分をAIで補う考え方については、人を増やさず、AIを増やす。海外で広がる「AI社員」という考え方にまとめた。
打ち合わせ中は走り書きする余裕すらない、という場合は、終わった直後に話して残す手もある。音声入力ツールのTypelessは、話した内容を見出しや箇条書きに整えて文字にしてくれる。議事録づくりに使う切り口はこちらの記事にまとめた。
まとめ
架空の走り書きメモを渡したところ、Claudeは議事録の形に整え、担当の決まっていない2つの仕事を「(未定)」として拾ってくれた。あいまいな期限も、勝手に決めずに聞き返していた。一方で、年を勝手に前提にしたため、今年の曜日とずれていた。議事録の土台づくりは任せて、日付と未定の行だけは自分で確かめてから共有する。それが、今のところ一番安心できる使い方だと感じた。次は、メモに年を書いた場合に曜日のずれが起きるかどうかを試してみたい。

