ChatGPTに話したことをClaudeにも覚えさせる「Unabyss」を試した|AIごとの説明し直しが不要に

Unabyss公式サイトのブランドイメージ Uncategorized

AIごとに「学習させ直し」が必要な時代を終わらせるツール


複数のAIツールを使っていると、必ずぶつかる悩みがある。ChatGPTに話したことを、Claudeにはもう一度説明しないといけない、というやつだ。

Cursorで決めた設計方針も、Geminiに移った瞬間にゼロから話し直しになる。自分の役割、今抱えているプロジェクト、好みの進め方——AIツールを乗り換えるたびに、同じ自己紹介を繰り返している感覚がある。

原因は単純で、AIごとに持っている「記憶」がバラバラだからだ。ChatGPT Memoryはchatgpt.comの中でしか使えないし、Claude Memoryも同じくClaudeの中に閉じている。せっかく一つのAIに自分のことを覚えさせても、その資産は他のAIには一切引き継がれない。

この「AIごとの学習させ直し」を終わらせることを目的にしたツールを見つけた。Unabyssという海外のサービスだ。

Unabyss公式サイトのブランドイメージ

何がすごいのか

一言で言うと、Gmail・Notion・Slack・GitHub・カレンダーなど、普段使っているツールから自分の情報を集めて一つの文脈にまとめ、Claude・ChatGPT・Cursorなど10種類以上のAIツールに、同じ記憶として渡すサービスだ。

普通の「AIの記憶機能」との決定的な違いは、その記憶が特定のツールの中に閉じないこと。一度Unabyssに繋げば、自分の役職・進行中のプロジェクト・関わっている人・過去の決定事項が一つの場所に集約され、どのAIから呼び出しても同じ情報が返ってくる。ChatGPTで話した内容を前提に、Claudeが続きの作業をする、ということが自然にできるようになる。

Unabyss自身は、既存の選択肢と何が違うのかを3点で説明している。

  • あらゆるツールに届く:一つのAIの中に閉じず、Claude・ChatGPT・Cursorなど、繋いだ先すべてに同じ文脈が反映される
  • 常に最新:手動で書いたメモやドキュメントと違い、実際のデータソース(Slack・Gmailなど)と繋がっているので情報が古くならない
  • 構造化されている:ただの文字列の塊ではなく、トピック・機密度・情報源でタグ付けされた形で保存され、必要な部分だけを取り出せる

想定されている使い方の幅も広い。個人なら、AIが毎回自分の状況を把握した状態で会話が始まる。開発者なら、エージェントが過去の設計判断やリポジトリの状態を踏まえてコードを書けるようになる。複数クライアントを抱える立場なら、案件ごとの文脈を混同せずに管理できる。営業・マーケティング寄りの仕事なら、案件の進捗や過去のやり取りを踏まえた提案が自動的に組み立てやすくなる。

すでに10種類以上のAIツール・25以上の連携アプリに対応しており、100万件以上の情報がユーザーによって保存されている、とのことだった。

どこが作っているのか、信用していいサービスなのか

Gmail や Slack など、自分の実際のデータを渡すことになるツールなので、「聞いたことのない海外サービスに大丈夫なのか」と思うのは自然だ。分かる範囲で書いておく。

運営しているのは、Marcin Uchacz氏らが率いる、ポーランド・ワルシャワ拠点のチーム(2026年設立、社員6名規模)。Kogito VenturesやS20といった投資家から資金を調達しており、勢いだけで運営されている個人サービスではない。Product Huntでは2026年5月にローンチし、その日のランキング1位(#1 Product of the Day)を獲得している。

セキュリティ面では、SOC 2 Type II認証の取得を準備中で、GDPRの原則にも準拠している。特に安心できると感じたのは権限設計で、公式のセキュリティページには「連携したアプリに対して、投稿・返信・編集・削除など一切の操作を行わない、読み取り専用」だとはっきり明記されている。実際に自分のGmail・Googleカレンダーを接続してみても、閲覧のための権限しか要求されなかった。

もちろん「明記されている」ことと「絶対安全」は別問題ではあるので、会社のメインアカウントのような機密性の高いものを繋ぐ判断は各自でしてほしいが、個人利用の判断材料としては十分な情報開示だと感じた。

海外ではすでに話題になりつつある

Unabyssは2026年5月にProduct Huntでローンチし、659件のアップボート・130件のコメントを集めて、その日のランキング1位(#1 Product of the Day)を獲得している。

ローンチ後も勢いは止まっておらず、海外のツールレビューサイト(MakerStack、Toolradar、Launch Llamaなど)が軒並みレビュー記事を出すほど注目を集めている状態だ。連携できるアプリの数も、ローンチ後だけで20以上追加されており、開発チームのペースも速い。

今のうちに触っておくと、この波が本格的に日本に来たときに一歩先を行けるかもしれない。

料金

7日間の無料トライアルがあり、クレジットカードの登録は不要。トライアル後は個人向けプランで月$13〜(年払い)、ヘビーユーザー向けの上位プランで月$79〜、チーム利用なら1席あたり月$39〜という構成になっている。

Referralプログラム(紹介制度)も用意されている。

実際に接続してみた感触

Claude公式の「コネクタ」ディレクトリから追加できるので、サーバーのURLを自分で入力するような手間はない。設定画面から「Unabyss」を選んで接続ボタンを押すだけで完了する。

セットアップの過程で多少のつまずきはあったものの(海外の新興サービスにはよくあることだと思う)、致命的なものではなかった。実際にGmailと接続したところ、143件のメールがすぐに同期された。

一方で、正直に書いておくとGoogleカレンダー連携はうまくいかなかった。一度「Request failed」というエラーが出た後、接続をやり直したところ「Couldn’t connect Google Calendar」という明確な失敗表示になり、何度試してもインポート可能な状態には戻らなかった。良いことだけを並べるレビューにはしたくないので、動かなかった機能として正直に書いておく。Gmail側は問題なく同期できているので、まずはそちらだけで使い続けている。

同期されたデータが実際にどう文脈として使われるかは、もう少し使い込んでから改めて書きたい。

まとめ

AIツールを複数使い分けている人ほど、「毎回同じことを説明し直す」ストレスには覚えがあるはずだ。Unabyssは、その根本原因である「AIごとに記憶が分断されている」問題そのものに手を付けているサービスで、コンセプトの筋は良いと思う。

まだ使い始めたばかりなので、実際の文脈がどこまで効いてくるかは今後の記事で追記していく。

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