指示はたった1文。あとは全部、AIが自分で試行錯誤して仕上げてくれた
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営業をやっていた頃、地味に面倒だった作業がある。競合の価格や在庫を、定期的に自分の目でチェックする仕事だ。サイトを一つずつ開いて、価格をメモして、また次のサイトを開いて……という単純作業に、地味に時間を取られていた。
BrowserActという海外のツールを見つけた。「日本語で指示するだけで、Webサイトから欲しいデータを自動で集めてくれる」というノーコードの自動化ツールだ。当時の自分にちょうど欲しかったやつだと思い、実際に試してみた。

何がすごいのか
一言で言うと、「〇〇のサイトから、△△の情報を集めて」と日本語(英語も可)で指示するだけで、再利用できる自動収集ツール(Bot)を作ってくれるサービスだ。プログラミングの知識は要らない。
普通のスクレイピングツールと違うのは、以下の面倒くさい部分を全部BrowserAct側が肩代わりしてくれること。
- CAPTCHA(画像認証)を自動突破してくれる
- アクセス元のIPを自動でローテーションし、ブロックされにくくする
- サイトのデザインが変わっても自己修復する(Self-Healing)。セレクタが効かなくなったら、新しい構造を自分で探して直す設計
一度作ったBotは繰り返し使えるので、「毎朝この情報を自動で集めておいてほしい」といった定点観測にも向いている。
信頼性・実績
Product Huntでは「Product of the Day」1位を獲得。G2で4.6、AppSumoで4.4という高評価を得ており、パートナーにはAWS・Microsoft Azure・Google Cloudなど大手クラウドが名を連ねている。
料金
無料トライアルで、200クレジット+Bot作成2回分が使える。有料プランは月$13〜(年払い)で、クレジット数に応じて上位プランが用意されている。
実際に試してみた
営業時代の「競合の価格チェック」を思い出しながら、Amazon Japanで売れているコーヒーメーカーの価格・評価を自動で集めさせてみることにした。打ち込んだ指示は、これだけだ。
Go to Amazon Japan Best Sellers for coffee makers (amazon.co.jp). Collect the top 10 products’ name, price, rating, and product URL.
これを送ると、裏側でBot作りが始まる。完成まで8分23秒。ただ、この間の過程を覗いてみると、想像していたよりずっと丁寧な仕事をしていた。
- まずAmazonのカテゴリ構造を自分で辿っていく。「Best Sellers」→「Home & Kitchen」→「Small Appliances」→ さらに絞り込んで「コーヒーメーカー」カテゴリを自力で発見
- 一部の商品で価格が取得できないことに気づき、自分でページの構造を調べ直して修正
- 表示言語が英語(機械翻訳)に揺れることを検知し、Cookieを使って日本語表示に固定。おかげで商品名は英語の機械翻訳ではなく、正確な日本語のまま取得できていた
- 最後に、まっさらな状態からもう一度通しで実行し、別読み込みの結果と突き合わせて一致するか検証してから「完成」としていた
正直、ここまで自分で気づいて直してくれるとは思っていなかった。結果はこちら。
| 商品名 | 価格 | 評価 |
|---|---|---|
| タイガー魔法瓶 コーヒーメーカー ドリップ式 シャワードリップ | ¥6,480 | 4.2 |
| アイリスオーヤマ コーヒーメーカー ブラック CMK-650P-B | ¥2,200 | 4.0 |
| 象印 コーヒーメーカー 4杯用 珈琲通 | ¥4,280 | 4.2 |
| デロンギ 全自動コーヒーマシン マグニフィカS | ¥69,800 | 4.6 |
| パナソニック コーヒーメーカー 全自動 ミル付き | ¥18,880 | 4.2 |
商品名・価格・評価とも、実際のAmazonのページと完全に一致していた。しかも一度Botを作ってしまえば、次回からは同じ指示を出し直す必要すらなく、ボタン一つで再実行できる。「今週の価格、また見てきて」を仕組み化できるのは、地味に大きい。
ChatGPTやPerplexityに聞くのと何が違うのか
「同じことはChatGPTやPerplexityの検索機能でもできるのでは」と思う人もいるはずだ。実際に両方触っている立場で、違いを整理しておく。
- 「その場で答える」か「仕組みとして残る」か:ChatGPTやPerplexityは、聞かれるたびにゼロから調べ直す一問一答型。BrowserActは一度作ったBotが資産として残り、翌日も来月もボタン一つ(またはスケジュール実行)で同じ形式のデータが返ってくる
- ブロックされない基盤を持っているか:チャット型AIの「Web検索」は、数ページ読む程度の軽い巡回が前提になっている。BrowserActはCAPTCHA自動突破・住宅用IPのローテーションまで自前で持っているので、Amazonのような対策の厚いサイトを毎日・大量に巡回しても止まりにくい
- 出力が「文章」か「表形式データ」か:チャット型AIの回答は基本的に文章(+簡易的な表)で返ってくる。BrowserActはCSV/JSONで出力され、Zapier・Make・n8nやAPI経由でそのまま別のツールに流し込める。人が読むためではなく、他のシステムで使うための出力形式になっている
- 24時間365日、勝手に動くか:BrowserActはクラウド上でBotをスケジュール実行できるので、自分が寝ている間にも定点観測が続く。チャット型AIは、自分が聞かない限り何も起きない
つまり、「今すぐ知りたい」はChatGPTやPerplexityの方が速いが、「毎日・毎週、決まった形式で情報を集め続けたい」という定点観測の用途では、BrowserActのような専用ツールに分がある、というのが実際に両方触ってみた感触だ。
まとめ
競合の価格や在庫のチェックのような、「重要だけど単純作業」に時間を取られている人には、かなり刺さるツールだと思う。指示は日本語(英語)の1文だけでよく、あとの試行錯誤は全部AIが引き受けてくれる。
気になった人は、まずは無料トライアルから試してみてほしい。

