議事録が書けないのはタイピングが遅いだけ?話すだけで議事録になる音声入力「Typeless」
結論:打ち合わせ後に議事録が後回しになる人は、キーボードで書き始める前に「話して吹き込む」方法を試す価値があります。この記事では、Typelessがどんな場面で議事録づくりに向くのか、手作業やほかの方法と何が違うのか、料金と注意点まで整理します。
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打ち合わせが終わった直後、記憶が新しいうちに議事録をまとめたい。でも、実際にはタイピングが追いつかず、後回しにしているうちに内容を忘れていく——という経験がある人は多いと思います。専任の議事録担当を置けるほどの規模でなければ、この作業も結局自分でやることになります。
以前、音声入力AIを4つ比較する記事の中でTypelessを紹介しました。今回は「音声入力ツールの比較」ではなく、議事録・打ち合わせメモの作成に追われている人という切り口で、もう少し深く書きます。
Typelessとは:話した内容を整理して文字にする音声入力ツール
Typelessは、話した内容をただ文字に起こすだけでなく、AIが整理した文章にしてくれる音声入力ツールです。公式ページでは「散らかった思考を整理された文章に変換する」機能として紹介されています。macOS・Windows・Linux、iOS・Android に対応し、100以上の言語が無料プランを含む全プランで使えると記載されています(いずれも2026年10月17日に公式の料金ページで確認)。
Gmail、Slack、メモアプリなど、文字を入力する場所で呼び出して使う想定のツールです。会議の録音データを後から文字起こしするタイプの「AI議事録サービス」とは役割が違います。
議事録づくりでできること
私が前回の比較記事で、フィラーや言い直しを混ぜた原稿を各ツールに読み上げた限りでは、Typelessは「えーっと」「あの」といったフィラーを除去し、言い直しは修正後だけを採用していました。汎用AIの音声入力は文字起こし止まりのことが多く、整理まで進んだのは今回の4つの中ではTypelessでした。
議事録に当てはめると、使い方は次の2通りです。
- 打ち合わせ直後に自分で話す:決まったこと・担当・期限・未決事項を、終わった直後に口頭でまとめて吹き込む
- 吹き込んだ文章をAIに渡して議事録の形にする:Typelessで下書きを作り、ChatGPTやClaudeなどで「決まったこと/担当と期限/未決事項」に整える
ゼロから箇条書きを組み立て直す手間が減る、というのがいちばんの価値です。
やってみた:話し言葉メモを議事録にしてもらった結果
試した条件(正直に書きます):この節はTypelessそのものの出力ではありません。打ち合わせ直後に話した想定の架空のメモ(フィラー・言い直しあり)を私が作り、AI(Claude)に議事録へ整形してもらった結果です(2026年10月17日・1回のみ)。Typelessが同じように整えるとは限りません。「話した内容を整理する作業を、AIがどこまでできるか」の目安として読んでください。
入力した架空メモ(要約):販促チラシの打ち合わせ。参加3名。部数は「500部、あ、いや、800部」。配布開始は「来月の5日、あ、6日だったかな、6日の土曜」。印刷は鈴木さんが手配し、見積もりは今週金曜まで。デザイン初稿は田中さんが来週水曜まで。クーポンの有無は部長に聞いてから決める。
出力された議事録(要点):
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 決まったこと | 印刷は800部/配布開始は来月6日(土)/印刷は鈴木さんが手配 |
| 担当と期限 | 鈴木さん=見積もり取得(今週金曜)、田中さん=デザイン初稿(来週水曜) |
| 未決事項 | クーポンの有無(部長に確認後) |
| 言い直し | 500→800を採用。5日→6日は「だったかな」と不確かなので、暫定採用と注記 |
うれしかったのは、言い直しを拾うだけでなく、「確認が必要な点」まで出してくれたことです。出てきたのは、6日が本当に土曜か、部長への確認は誰がいつまでにやるか、「今週」「来週」が何日か(打ち合わせ日がメモにないため)、印刷の発注期限、の5点でした。逆に言えば、話し言葉のメモは日付や担当があいまいになりやすいということでもあります。議事録の最後に「未確認」の欄を作る習慣をつけておくと安心です。
手作業・ほかの方法との比較
| 方法 | 向いている場面 | 弱いところ |
|---|---|---|
| キーボードで手入力 | 短い打ち合わせ、その場でメモしたい | タイピングが追いつかない、後回しになりやすい |
| Typelessなどの音声入力で話す | 終わった直後にひとりで要点を吹き込める | 他の参加者の発言は拾えない(自分が話した分だけ) |
| AI議事録サービス(会議の録音を文字起こし) | 複数人の発言を丸ごと記録したい、Web会議 | 録音できない場面がある。要約の精度は製品による |
| ChatGPT・Claudeなどに貼って整形 | メモを議事録の型に整えたい | 元のメモが無ければ整形できない。事実確認は人が必要 |
Typelessは、録音の文字起こしではなく「自分が話した要点を、すぐ文章にする」ための道具です。複数人の発言をすべて残したいなら、AI議事録サービスと使い分けるのが現実的です。
料金
公式の料金ページ(2026年10月17日確認)では、次のとおりです。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| Free | $0/月 | 単語数に制限あり、標準の精度 |
| Pro | 年払い $12/月、月払い $30/月 | 単語数無制限、高精度、クラウド同期など |
| Enterprise | 個別見積もり | 営業担当に問い合わせ |
無料枠の具体的な単語数は、確認できた範囲では公式ページに書かれていませんでした。料金・機能は変わることがあるので、契約前に公式サイトで最新の情報を確認してください。
注意点
- 固有名詞は誤変換が出ることがある:前回の比較では、海外の固有名詞はTypelessでも誤変換になりました(個人辞書への登録で改善できる設計とされています)。取引先名・人名は読み直しが必要です
- 数字と日付は必ず見直す:上の試し方でも、日付と期限はあいまいなまま残りました。議事録は後から証拠になるので、人が確認してください
- 機密情報の扱い:社外秘の内容を話す前に、会社の情報セキュリティのルールと、ツールのプライバシーの説明を確認してください
- 周りに人がいる場所:声に出して使うので、オフィスでは場所を選びます(公式にはささやき声のモードも案内されていますが、私は試していません)
よくある質問(FAQ)
Q. 会議の録音をまるごと文字起こしできますか?
A. この記事で扱っているのは、自分が話した内容を文章にする使い方です。録音データの文字起こしが目的なら、AI議事録サービスのほうが向いています。
Q. 無料でも議事録づくりに使えますか?
A. 公式の料金ページでFreeプランが確認できます。ただし単語数に制限があるため、毎日たくさん使うなら、まず無料で自分の使用量に足りるか試すのがおすすめです。
Q. 日本語でも使えますか?
A. 公式ページでは100以上の言語に対応と記載されています。日本語の細かい精度は、前回の比較記事で私が試した範囲の話です。
Q. 議事録をそのまま共有してよいですか?
A. おすすめしません。日付・数字・人名・担当を読み直してから共有してください。
Q. ほかの業務にも使えますか?
A. 日報などにも使えます。下の「あわせて読みたい」に日報の記事があります。
まとめ
打ち合わせのたびに議事録作成が後回しになっている人にとって、「話すだけで整理されたメモが残る」という仕組みは、負担を減らしてくれる可能性があります。タイピングよりも先に、まず話してみる習慣に切り替えられるかどうかがポイントだと思います。複数人の発言を残したい会議は、AI議事録サービスと使い分けてください。
まずは無料プランで、短い打ち合わせ1回分を試すところからで十分です。

