しかも一番出来が悪かったのは、まさかの筆者が最も使っているClaudeだった
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音声入力、ビジネスマンであれば、みんな一度は使ったことがあると思う。ChatGPTやGeminiにも音声入力機能はあるし、Claudeもスマホアプリなら喋って打てる。ただ、実際に使ってみると「フィラーがそのまま残る」「言い直したのに両方書かれる」といった、地味なストレスに心当たりがある人は多いはずだ。
音声入力専用のツール、Typelessを見つけたので、この機会にChatGPT・Gemini・Claude・Typelessの4つに、同じ文章を読み上げて書き起こし精度を比較してみた。

検証方法
わざと意地悪な要素を仕込んだ、こういう文章を読み上げた。
えーっと、来週の水曜日、あ、木曜日でした、木曜日の14時から、渋谷のオフィスでミーティングがあります。参加者は佐藤さんと、あと鈴木さんも来る予定です。議題は、えーと、新しいプロジェクトの、Unabyssっていうツールの導入検討と、あとPubloraのアフィリエイト施策について話す感じです。予算はだいたい、3万円くらいを想定していて、あ、いや、やっぱり5万円くらいまでは大丈夫だと思います。ちなみに先週のミーティングでは、ROIが約120%だったという報告がありました。それでは、よろしくお願いします。
仕込んだ罠は4つ。
- フィラー(「えーっと」「えーと」)
- 言い直し(水曜日→木曜日、3万円→5万円)
- 海外サービスの固有名詞(Unabyss、Publora)
- 数字・単位(14時、120%)
結果
| 観点 | ChatGPT | Gemini | Claude | Typeless |
|---|---|---|---|---|
| フィラー除去 | △ほぼ未処理 | ◎完全除去 | △未処理 | ◎完全除去 |
| 言い直しの処理 | ✗両方残る | ◎修正後だけ採用 | ✗支離滅裂 | ◎修正後だけ採用 |
| 固有名詞 | ✗誤変換 | ◎正確 | ✗誤変換 | ✗誤変換(後述) |
| 数字・単位 | ○正確 | ○正確 | ✗「%」が消失 | ○正確 |
表だけだとピンとこないと思うので、実際の書き起こし結果をそのまま載せる。
ChatGPT
えっと、来週の水曜日、あ木曜日でした。木曜日の14時から渋谷のオフィスでミーティングがあります。参加者は佐藤さんと、あと鈴木さんも来る予定です。議題は新しいプロジェクトのアンアビスっていうツールの導入検討と、あとパブロラのアフィリエイト施策について話す感じです。予算はだいたい3万円ぐらいを想定していて、あ、いややっぱり5万円くらいまでは大丈夫だと思います。ちなみに先週のミーティングではROIが約120%だったという報告がありました。それではよろしくお願いいたします。
Gemini
来週の木曜日の14時から渋谷のオフィスでミーティングがあります。参加者は佐藤さんと鈴木さんも来る予定です。議題は新しいプロジェクトのUnabyssっていうツールの導入検討と、Publoraのアフィリエイト施策について話す感じです。予算は大体5万円くらいまでなら大丈夫だと思います。ちなみに先週のミーティングではROIが約120%だったという報告がありました。それではよろしくお願いいたします。
Claude
来週の水曜日は木曜日でした。木曜日の14時から渋谷のオフィスでミーティングがあります。参加者は佐藤さんとあと鈴木さんも来る予定です。時代は、えーと、新しいプロジェクトのアンアビスっていうツールの導入検討と、あとパブロラのアフィリエイト施策について話す感じです。予算は大体三万円くらい予想をしていて、あ、いややっぱり五万円くらいまでは大丈夫だと思います。ちなみに、先週のミーティングではROIが約120だったという報告がありました。それではよろしくお願いいたします。
「議題は」が「時代は」になっているのに気づいただろうか。表にはまとめきれなかったが、これも見落とせないミスだと思う。
Typeless
来週の木曜日14時から、渋谷のオフィスでミーティングがあります。
参加者:佐藤さん、鈴木さん
議題:
・新しいプロジェクトの「アンアビス」というツールの導入検討
・パブロラのアフィリエイト施策予算は5万円くらいまでは大丈夫だと思います。ちなみに先週のミーティングでは、ROIが約120%だったという報告がありました。
それではよろしくお願いいたします。
こうして並べると、Typelessだけ議事録として、そのまま使える形になっているのが一目瞭然だと思う。
正直に書くと、これは想定外に面白い結果になった。
まず、Geminiの完成度が高かった。 フィラーを完全に除去した上で、言い直しも「木曜日」「5万円」という修正後の内容だけを正しく採用していた。固有名詞もUnabyss、Publoraと正確なスペルで書き起こしていた。
そして一番出来が悪かったのは、Claudeだった。 「来週の水曜日は木曜日でした。」という、言い直しのつもりが支離滅裂な一文になってしまい、しかも「ROIが約120だったという報告」と、肝心の「%」が消えていた。
圧倒的に「Typeless」を勧めたい理由
固有名詞(Unabyss、Publora)については、Typelessも他の2つと同じく「アンアビス」「パブロラ」という音写のまま誤変換していた。ここだけ見ると引き分けだ。
しかし、ここからがTypelessの本領だと思っている。
理由①:個人辞書が、間違いを「学習」する
Typelessには個人辞書という機能があり、公式サイトにはこう書かれている。
Typelessは、あなたにとって重要な名前、用語、表現を認識します。自動的または手動で追加された場合でも、あなたの語彙はすべてのアプリとコンテキストで正確に保たれます。
つまり、一度「アンアビス」ではなく「Unabyss」だと修正してあげれば、次からは正しく認識されるようになる設計だ。社内でよく使う商品名やツール名も、最初は間違えても、使い込むほど自分専用の辞書が育っていく。ChatGPT・Gemini・Claudeの汎用音声入力には無い発想で、「今回のテストで負けた」で終わらないのが、専用ツールとしての強みだと感じた。
理由②:どこでも同じショートカットで呼び出せる
TypelessはmacOS・Windows・iOS・Androidの全アプリで動作する。実際に使ってみると、GmailでもSlackでも、設定したショートカットキー一つで音声入力を呼び出せて、いちいちアプリを切り替える必要がない。ChatGPTやGemini、Claudeの音声入力は、それぞれのアプリを開かないと使えないのと対照的だ。
理由③:話した内容を勝手に箇条書きへ整形してくれる
今回の検証でも、Typelessだけが「参加者:佐藤さん、鈴木さん」「議題:」という箇条書き形式に自動整形していた。他の3つは、あくまで喋った内容をそのまま地の文で書き起こすだけだった。メモや議事録用途では、この差はかなり大きい。
信頼性・実績
Product Huntではデスクトップ版・モバイル版の両方で「Product of the Day」1位を獲得している。テクノロジー未来学者のRobert Scoble氏や、AIエヴァンジェリストのLinus Ekenstam氏など、著名人からの推薦コメントも多い。
プライバシー面でも、音声データをモデルの学習に使わない、クラウドにデータを保持しないという設計を明言している。
まとめ
生のテスト結果だけを見れば、GeminiとTypelessがほぼW1位。しかし、間違いを個人辞書で学習させられる仕組みと、アプリを問わずショートカットで呼び出せる利便性、自動整形という3点を含めて考えると、日常的に使うツールとしてはTypelessに軍配が上がると感じている。
実際、社内でもTypelessを共有してみたところ、徐々に使う人が増えてきている。最初は「他の音声入力と別に変わらないのでは」という声が多かったが、実際に使ってみると、その利便性を評価する人がほとんどだった。
料金は、無料プランで週8,000語まで使える。有料のProプラン(年間契約なら月$12、月払いだと月$30)にすると、この上限が外れて無制限で使えるようになる。
正直に書くと、これに慣れるともうタイピングには戻れない。むしろタイピングが遅く感じるようになってしまった。他のAIツールの音声入力の精度の低さに、今回の検証で改めて驚いたくらいだ。
タイピングは、手も目も脳も同時に使う上に、それなりに時間も取られる作業だ。年間契約にすれば月1,000円台で使えることを考えると、Typelessを使って浮いた時間を、もっと本質的な作業に回す、という考え方もアリだと思う。
気になった人は、まずは無料で試してみてほしい。

