表記ゆれだらけの取引先リスト15件、Claudeは重複を見抜けるか試した

架空の取引先リストの重複をClaudeが整理した画面 Uncategorized

何年も継ぎ足してきた取引先リストに、同じ会社が二重に入っていそうな小さな会社の人に向けた話


取引先の一覧をエクセルで管理していると、担当が変わるたびに行が継ぎ足されていく。ある人は「株式会社」、ある人は「㈱」と書き、英数字は全角だったり半角だったりする。そうして、同じ会社が別の行として2回入っていることに、年末のあいさつ状の宛名を作るときに初めて気づく、ということがあると思う。

そこで、この「表記がバラバラなリストの重複探し」をClaudeに頼めるか試してみた。最初に断っておくと、これは実在の取引先リストではない。試すために、会社名も電話番号もすべて自分で作った架空のリストだ。

実験:正解を決めてから、架空のリストを渡す

答え合わせができるように、リストは先に「正解」を決めてから作った。全部で15件。そのうち、表記がゆれているだけで実は同じ会社、という組を5組入れた。

  • 「株式会社山田印刷」と「㈱山田印刷」
  • 「有限会社みどり商店」と「(有)みどり商店」
  • 「カフェ・ソレイユ」と「カフェソレイユ」
  • 全角の「ABC工業株式会社」と半角の「ABC工業株式会社」
  • 「株式会社ひかり不動産」と、社名にスペースが入り電話番号のハイフンがない「株式会社 ひかり不動産」

この5組は、電話番号を同じにしてある。さらに、名前は似ているが電話番号が違う、判断に迷う組を2組入れた。「株式会社サクラ設計」と「サクラ設計株式会社」、「田中歯科クリニック」と「たなか歯科」だ。ここを勝手にまとめてしまうかどうかを見たかった。依頼文は次のとおり。

年末のあいさつ状を送る前に、取引先リストを整理したいです。エクセルに何年も継ぎ足してきたので、同じ会社が2回入ってる気がします。重複してそうなものを教えて、整理した一覧にしてもらえますか?

このあとに、No・会社名・電話番号・最終取引の4列で15件の表を貼った。

返ってきた答え

最初の一文は「15件のうち、ほぼ確実に重複しているのが5組、確認が必要なのが2組ありました」だった。

架空の取引先リスト15件をClaudeに渡し、重複していそうな会社を探してもらった画面。確実な重複5組、要確認2組、整理後の10件の一覧と補足が返ってきている(実験用の架空のリスト)

※画面は、実際のやり取りの文面をそのまま、見やすく再現したもの。

「ほぼ確実に重複」の5組は、仕込んだ5組と完全に一致した。それぞれ「「株式会社」と「㈱」」「全角「ABC」と半角「ABC」」のように、どこがゆれているのかを一言で添えてくれている。

そして、迷わせるために入れた2組は、どちらもまとめずに「要確認」として両方残していた。理由として「間違って1件にまとめると、どちらかにあいさつ状が届かなくなります」と書かれていた。名前が似ているからといって勝手に消さない、というのは、宛名リストの整理では一番ありがたい判断だと思う。

最後の「補足」では、今後の重複を防ぐために「㈱」「(有)」などの略記を使わない「英数字は半角」「電話番号はハイフンありで統一」と決めておくこと、エクセルで電話番号の列を並べ替えると同じ番号が隣り合って見つけやすいこと、が挙がっていた。

自分で数え直したこと

  • 件数:15件から重複5組を1件ずつ減らすと10件。整理後の一覧も10件で、合っていた。
  • 残す行の選び方:Claudeは「統合した組は、どれも新しい日付の行を残しています」と書いていた。5組すべてで日付を見比べたところ、山田印刷(2026年8月と2024年3月)、みどり商店(2026年6月と2023年11月)、カフェ・ソレイユ(2026年9月と2025年2月)、ABC工業(2026年5月と2026年1月)、ひかり不動産(2026年9月と2025年7月)と、たしかに全部新しいほうが残っていた。
  • ABC工業だけ、行と表記を組み合わせていた。日付は全角で書かれた行(2026年5月)のものを残しつつ、社名は半角に直していた。本人も「表記は半角に統一」と書いているので隠してはいない。ただ、補足では「今回は取引が新しいほうの表記を採用しました」と説明しており、ABC工業だけは古い行(2026年1月)の半角表記を採っていて、この説明と食い違っていた。どちらかの行をそのまま残したわけではない点は知っておきたい。
  • 「前株・後株」の説明:サクラ設計の組について「「株式会社」が前に付くか後ろに付くかで、法律上は別の会社として登録されます」とあった。会社の正式な社名は1つなので、両方が正式名なら別の会社だ。ただ、リスト上の書き間違いの可能性もあるので、表記の違いだけでは同じ会社か別の会社かは決められない。Claude自身も続けて「同じ会社の移転や別の事業所の可能性」に触れているので、結論の「要確認」は妥当だと思う。

今回、件数や日付のズレは見つからなかった。ただ、15件という小さなリストで、試したのは1回だけだ。何百件もあるリストや、電話番号まで変わっている会社が混ざる場合に、同じ精度で見つけられるとは限らない。

頼み方を3ステップにすると

  1. 会社名だけでなく、電話番号のような「同じ会社なら同じになる列」も一緒に渡す。今回の「ほぼ確実」と「要確認」の線引きは、電話番号が一致するかどうかで分かれていた。
  2. 何に使うリストかを書く。「あいさつ状を送る前に」と書いたことで、「まとめると届かなくなる」という観点の注意が返ってきた。
  3. 「要確認」は、人が名刺や請求書で確かめる。最後の判断はこちらに残してくれるので、その分は自分で埋める。

任せきりにしないための確認ポイント

  • 取引先の情報を、そのまま外部に渡してよいか。今回は架空のリストで試した。実際の取引先リストには、会社名や電話番号、担当者名が入っている。外部のAIサービスに渡してよいかは、先に自分の会社のルールを確認してほしい。社名を伏せて「表記ゆれの見つけ方」だけ教えてもらう使い方もある。
  • 担当者の個人名が入った列は外す。重複探しに個人名は要らないことが多い。必要な列だけ渡す。
  • 消す前に、元のファイルを残す。統合した結果が間違っていたときに戻せるよう、整理前のリストは別に保存しておく。

同じように、数字や表を渡して整理してもらう使い方は、月末の経費精算が重い、小さな会社の人へ:レシートの金額をClaudeに渡して、合計と「確認ポイント」まで出してもらう方法や、お客様アンケートの自由記述が溜まったままの、小さな会社の人へ:10件の声をClaudeに渡して、要点を3つにまとめてもらったでも試している。打ち合わせのメモを表に整えてもらった回は、打ち合わせのメモが走り書きのままの、小さな会社の人へ:Claudeに議事録とToDoの表に整えてもらったに書いた。

まとめ

正解を決めて作った架空の15件を渡したところ、Claudeは表記ゆれの5組をすべて見つけ、電話番号が違う紛らわしい2組は勝手にまとめずに「要確認」で残した。残す行の選び方も、自分で数え直した範囲では合っていた。年末のあいさつ状の準備に入る前に、まずは自分のリストのうち社名と電話番号の2列だけを貼って、「重複していそうな組」を挙げてもらうところから試してみてほしい。

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